知的財産としてのドメイン名
ドメイン名の用途はネットワーク上のコンピューター識別子などの技術的な範囲にとどまりません。ドメイン名はオンラインプレゼンスを構築するための基本的かつ必要不可欠なマーケティングツールであり、また、保護すべき名称の知的財産としての側面があります。特に国際的なビジネスプレゼンスの構築には、避けることができない状況と言えます。
商号、商品・役務名称を商標登録してオフラインでのブランド名称を保護するのと平行して、それらのオンラインプレゼンスもドメイン名の防護的登録によって保護する必要があります。
ドメイン名の防護的登録
商標と異なり、ドメイン名には原則的に防護登録制度がありませんので、登録者自ら、防護的にドメイン名登録を行う必要があります。つまり、保護すべき名称や標章がある企業や事業者などは、自発的にドメイン名ポートフォリオの形成が必要です。
優先登録期間での取得
企業の知的財産管理、ブランド戦略、法務部の担当者様は新しいTLDの開始にあたっては、優先登録期間でのドメイン名取得を検討する必要があります。
商標権者優先登録(サンライズ)
新しいTLDの登録開始時は、一般登録の開始に先立ち、商標権者優先登録期間があります。これを国際的にはサンライズ登録期間と呼んでいます。サンライズでは登録申請についてレジストリが登録適格を審査していました。申請者は申請対象ドメイン名の文字列の登録商標保持を証明するなどの手続きが申請の都度必要でした。現在はTMCH(TradeMark ClearingHouse)登録という事前審査を1度実施することによって、都度審査対応を行うことなく、様々な新gTLDにサンライズ申請できるようになりました。
登録商標を所有している場合、新しいTLDの登録開始にはサンライズでの取得が推奨されます。なお、TLDによっては会社の登記などに基づく申請を受け付ける場合があります。
一般優先登録(ランドラッシュ)
商標権者優先登録期間の終了後、通常、一般優先登録期間が設けられます。これをランドラッシュ登録期間と呼んでいます。この期間では商標登録を行っていない名称についても、一般登録開始前の優先登録が可能です。登録商標となっていない企業名、商品名・サービス名はこの期間での取得が推奨されます。
一般登録
全ての優先登録期間が終了すると、先願制の一般登録が開始します。いずれの優先登録も行わなかった名称は一般登録開始後、いち早く取得を行う必要があります。
一般登録開始後、ドメイン名は登録要件がない限り、また、レジストリによって保護されていない限り、誰でも登録できる状態になります。新gTLDの多くは人気のある一般名称をプレミアムドメイン名として特別な登録料金設定をしていますが、登録不可の保護ではありませんので、登録は可能です。
登録済みドメイン名の取得
登録を希望するドメイン名が第三者によってすでに登録済みとなっている場合、2重に登録することはできませんので、別の文字列に変更するか、別のTLDで登録するなど、再考が必要となります。
変更が不可能な場合は、現在の登録者がドメイン名を削除するのを待って新規登録が可能となった時点で新規登録を行うか、現在の登録者へ譲渡交渉して、移転により取得する以外に、同文字列のドメイン名を取得する方法はありません。
バックオーダー
バックオーダーとは、ドメイン名が削除され、新規登録が可能となるタイミングで新規登録を行う取得方法です。ドメイン名の世界では、ドロップキャッチやドロップゾーンとも呼ばれています。
なお、バックオーダーは、あくまで新規登録ですので、対象のドメイン名が削除されない限りは有効な取得手段となりません。また、削除されても請戻猶予期間(redemptionPeriod)に登録者によって回復される場合があります。
売買交渉
登録者/所有者に交渉を行って譲渡により取得する方法があります。ドメイン名が使用されていない場合は登録者に売却に応じていただける可能性があります。ただし、売却をお考えでない登録者から譲渡いただくことは難しく、また、通常、取得費用は高額となります。
モンマークではいずれの取得方法もサポート致します。
弊社では上記、また、上記以外の方法での取得でもサポート致します。お気軽にご相談ください。