ドメイン名のステータス (WhoisのStatus)

ここではgTLDドメイン名のステータスについて解説します。ccTLDは各レジストリによって登録規則が個別に定められているため、ステータスについても一律に解説することができません。なお、ドメイン名のステータスは日付と組み合わせて確認することによって、様々な状態を確認することができます。

ステータスの読み方

「server***」はレジストリ、「client***」はレジストラによって設定されたステータスです。また、「***Prohibited」は禁止ステータスです。レジストラが同意するICANNの規定(RAA2013)により、Whois上のStatusに、「https://www.icann.org/epp#***」と追記することが義務化されました。このURLにアクセスするとICANNによるステータスの説明がありますので、合わせてご確認ください。

禁止ステータス (Prohibited)

主にドメイン名を保護する目的で、ドメイン名の操作を禁止するステータスが用意されています。

clientTransferProhibited (ロック)

clientTransferProhibitedは、移籍を禁止するステータスで、ロックとも呼ばれます。このステータスがWhoisに表示されている間は、ドメイン名の移籍(レジストラ変更)を行うことができません。移籍先レジストラは登録者から移籍の申請を受け付ける際、まずはこのステータスが解除されていることを確認します。したがって、移籍を希望する際は最初の障壁となりますが、普段管理中のドメイン名については、第三者からの不正な移籍要求に対してドメイン名を保護する重要なステータスともなります。なお、レジストラが同意するICANNの規定(IRTP (Inter Registrar Transfer Policy : 現Transfer Policy))では、登録者の事前の同意なくレジストラがこのステータスを設定してはならない旨の規定が明記されました。

Registrar Lock (レジストリロック)

レジストラの申請により、レジストリへの手続きを行えない状態にするレジストリロックサービスが提供されている場合があります。ただし、WhoisにRegistry Lockと表示されるわけではありません。具体的なステータスとしては、.COMの場合、「serverTransferProhibited」「serverUpdateProhibited」「serverDeleteProhibited」が設定されます。これによって、server***Prohibitedの「***」の手続きがレジストリ(server)レベルで禁止されます。レジストラ(client)レベルでの禁止ではありませんので、一度設定するとレジストラの特定の担当者のみが解除できる禁止ステータスがレジストリデータベースに施されます。

ドメイン名自体の登録情報を保護するには効果が期待できます。ただし、登録されたDNSサーバー自体やその解決情報(DNSレコード)は保護対象ではありませんので、注意が必要です。

Grace Period

ドメイン名取得管理には様々な手続きがあります。登録者の権利保護のため、主にドメイン名の死活に関する手続きには猶予期間が設けられています。

Add Grace Period

ドメイン名を登録することを主にレジストリで「Add」と呼ばれています。ドメイン名は登録後5日間、登録取消猶予期間があります。この期間、WhoisにはaddPeriodと表示されます。これは、誤って登録されたドメイン名のキャンセルが可能な期間ですが、主に削除ドメイン名を再登録し、この期間でアクセス数などの集計によりドメイン名の価値を下見するドメインテイスティングが多く行われていました。現在はドメインテイスティングによるAdd Grace Periodでのドメイン名新規登録キャンセルを防ぐため、この期間のキャンセル件数が一定以上累積するとICANNがレジストラにペナルティーが課すようになりました。したがって、現在はレジストラがキャンセルを受け付けることは稀になりました。

Renew Grace Period

原則的にドメイン名有効期限の更新は、有効期限日までに行わなければなりません。有効期限日を経過後45日間、レジストラはドメイン名を削除することができます。45日以内のいつでも、レジストラの裁量で削除することができます。したがって、経過後即日削除することも可能です。一般には30日~40日程度の期間、更新を受け付けています。この期間をRenew Grace Period(更新猶予期間)と言います。

その他のステータス

clientHold (ホールド)

clientHoldステータスが設定されているとドメイン名は使用できません。ドメイン名の有効期限を経過するとレジストラはこのステータスを設定するか、有効期限更新を促すページを表示するようDNSサーバーを変更する必要があります。また、ドメイン名新規登録・情報変更・移籍に伴う登録者メールアドレスの到達確認が手続き期限までに完了しなかった場合にも、このステータスが設定されます。

redemptionPeriod (取戻猶予期間)

レジストラでドメイン名が削除されるとこのredemptionPeriodというステータスになります。通常、このステータスとなっている時のUpdate Dateが削除日時です。有効期限の更新が行われなかった場合や登録者の申請によってドメイン名が削除された場合に、このステータスが設定されます。このステータスは削除日から30日間継続します。その間、削除を行ったレジストラが削除前の登録者の申請によってのみ、ドメイン名のRestore(リストア・回復・削除取消)ができます。リストアが行われなければ、その後、5日間のpendingDelete(削除待ち)ステータスに変更されます。レジストリによっては、pendingDeleteRestorableと表示されます。

pendingDelete (削除保留期間)

redemptionPeriodを経過し、レジストリの削除処理待ちの状態です。この期間になるとドメイン名はリストアができなくなり、5日間を経過して新規登録できるようになるまでいずれの手続きもできなくなります。

Active/OK

ドメイン名のあらゆる操作が可能な状態です。ただし、一切の保護も設定されていません。

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